dobochon’s diary

宮原清の夢日記

2007-01-01から1年間の記事一覧

「ポルノ噴水」

高田馬場の駅のホームで空を見上げると、 そこにはいつでもポルノ噴水があった。 なんであんな素敵なものを取っ払ってしまったのか。

「タグ」

飲み屋にて。 買ったばかりのウェアの タグをライターで千切る男。 「俺にゃあこんなにたくさんポケットいらねえなあ」 そのツレ。 「外国製は、みんな、そうなんだよ」 今夜は冷え込む。

「海牛」

さんざん酔って湯船に浸かると、 水中の私はまるで意識を失った海牛。 湯船のうねりが収まるまで潮に身を委ねるしかないのだ。 「これでいいのだ」とも思わないでもないが、 一方で流れに逆らいたい自分も。 そこでやみくもに水面を叩いてみたりする。 する…

「白いドーナツ」

その形は、 自分で作ったことを忘れるほど美しかった。 直径2メートルほどの、白いドーナツ状の形。 目線より少し低い高さに、天井から吊られて静止している。 連続した20個の円形リブに、ストレッチの布を張って作ったのだ。 薄暗い部屋の中で透けたカーテ…

「突き付けられた質問」

【問い1 】 2500万円で相手を買収しようとしたが失敗した。 一体いくらだったら買収できたのでしょう? 【問い2 】 その際、現金を入れるための器のサイズは 400w×300d×150h。 これを油土で作った場合、 長辺の壁の厚みを15ミリとすると短辺の厚みは何ミリが…

「歯クソアニメ」

馬場の赤提灯にて。 店のテレビから歯ブラシのCF。 歯の根本にこびりついたカスを素晴らしい性能の歯ブラシが気持ち良く掻き出す3Dアニメ。白い歯をした女の笑顔の合間に、ほんの一瞬だけ挿入されている。「シャキーン」てな感じの効果音とともにダイヤのよ…

「美人鏡」

友人のT君は女を見るのが好きだが、街で出会う美人にしょっちゅう釘付けになってしまい、彼女が通り過ぎて見えなくなるまでなめまわすような視線を惜し気も無く発射する姿が友人たちの間で非難の的となっていた。 先日T君に会ったら、それを解消するアイテム…

「顕微鏡」

松平博士の勧めでドイツ製の顕微鏡を買った。 鉄製の組み立て式を2台。1台は博士の分だ。 彼は組み立てるのが面倒だったのだ。 30分くらいかかって組み立てた。 リード線を繋ぎ、電球をぶちこんで完成。

「改札」

階段を上がった改札で、またも人だかりだ。 なんか切符のトラブルみたいで、 「こいつパンツ履いてるのか」といった感じの女子高生が 自動改札を出るの出れないので駅員と揉めている。 俺は人だかりを決して避けて通れない性格なので 吸い込まれるように近寄…

「ひとだかり」

普段は人のまばらな小川駅のホームに、人だかりだ。 かきわけて奥を覗くとそこには、 70年代のエロ本がホームに沿ってずらりと山積みで売られていた。 中には見覚えのある表紙も。 あの色味、質感。 これがまた飛ぶように売れていた。

「集団ヒステリー」

ご婦人達が白目をむいて引きつった声を上げ始めた。 それがソプラノの練習だと分かるまでに しばらく時間がかかった。

「仁王の腹」

仁王さんの腹は、 実にかっこいいと思う。

「傘」

さっきまでの大雨が嘘のように上がり、 空を見上げてみれば秋の星座がいくつでも見えるのだった。 ストッパーが壊れてしまった傘は 放っておくと全開になってしまうので、 そうならないように握りしめて歩いていると、 手が塗れてどうにも気持ち悪い。俺は手…

「奉仕活動」

古墳でゴミ拾いをした。 俺のスケスケの水色の下着が 皆のやる気に火を付けたようだ。 たぶんそのせいで思いのほか、はかどった。

「MATSU」

「MATSU」の売り上げが好調だ。 「MATSU」は、今年開発した商品で、リアルな松の着ぐるみである。 これを装着して道ばたにじっと立っていると、旅人のいい目印になる。 旅人は「松」を見上げ、根元で一服して再び歩きはじめる。 そこで素早く先回りして、旅…

「心の隙間」

モウロウとしながら やっとの思いでホームに立っていたら マイク越しに女が語りかけてきた。 「電車とホームの間に空いている心がありますのでご注意ください」 完全に見透かされている。

「失速」

あまりにも変わり萎えのしない暴走スタイルに、 つねづね疑問を感じていたケツ持ちの与一。 新しい暴走スタイルを考案した。 それが「五連肩車」だ。 文字通り5人を肩車して疾走る訳だが、 その画期的なところは、 これまで面でしか展開できなかった暴走行為…

「変身」

目が覚めたらフランス人になっていた。 となれば、やる事はひとつ。 レンガ大のショコラをまるかじりだ。 オゥ、 この味は日本人には分かるまい・・・

「パス-3」

描かれた放物線に手を加えると、別の放物線が誰かの手によって少しだけ変化する。それにまた誰かが反応して別のパスに修正を加える。その繰り返しが生む線のせめぎ合いが、微妙なバランスを図面に与えていた。それはまるで囲碁かチェスの対局を見るようでも…

「パス-2」

そして今日、 このところの暑さのせいで寝不足と戦いながらパソコンに向かう。植物園のアトリウムに設置するワイヤーワークのための図面は入り組んだ無数の放物線で埋め尽くされていて、俺はそのパスをひたすらに結んでいた。 それはちょうどガウディの逆さ…

「パス-1」

普段何気なくやっている所作が実は世界の命運を握ってると感じた事は? 最初にそう思ったのは 子供の頃に親戚の家に連れられていった帰りの車の中。 眠気の中で薄目をあけると、 焦点の滲んだ街中の照明や対向車のヘッドライトの明かりが垂直に空への向かう…

「浜辺にて」

岬の向こう側から、 巨人が目の前の砂浜に突っ込んできた。 もんどりうちながら。 彼をモンドリアンと名付けた。

「ルーフトップ」

246と明治通りの交差点脇の雑居ビル。 最上階の貸し会議室に、会議の開始時刻より1時間ほど早く着いてしまった。電話と使用料の振り込みだけで貸し借りされる会議室への入室は、部屋の鍵をパスワードで解錠する仕組みだった。パスワードを知らなかったので、…

「フライト」

その機体は老朽化が激しく、今日が最後のフライトだった。 私はそれに乗り、今夜中に島に渡らなくてはならない。 ピンク一色に塗られた内壁の 何度も塗り重ねられたペンキの厚みが 経年によってのみ得られる素敵なマチエールと鈍い照りを放っていた。 あいに…

「盆鯨」

「ボンゲイ」と読む。 盆栽のクジラ版。 欧米では趣味として定着しつつあり、最近では日本でもインテリアショップでいわゆる「テーブルクジラ」として売られるようになったと言えばお分かりだろう。 巨大なクジラを床の間サイズの小世界にスケールダウンして…

「ノリノリ」

馬の埴輪型バイクを作りたいので 原型を手伝って欲しいという電話があった。 即答でOK。

「せんべいの粉」

モニター見ながら、 ふんぞり返ってせんべいを食べていたら、 鎖骨のくぼみに せんべいの粉が溜まっていた。

「へべれけの視界」

へべれけに酔って乗ったタクシーから見る景色は、格別だ。 深夜のタクシーはえらく飛ばすから、 世界が縮小されたような、時間が加速したような、 ダイナミックな時間を体験できる。 その上、メーターがそれを数値化してくれるのだ。 道を横切る猫が、この世…

「トナカイ」

ベッカムが相談にやって来た。 もみあげにトナカイの形の剃りを入れたいらしいのだが、 「ツノ」の部分が細かすぎて表現出来ないという悩みだ。 俺は、もみあげの面積に対する毛の密度が足りないので、 細かい表現を実現するには型どおりの作業では無理だと…

「ノブ」

パーティーに出席した120名の中から、 くじで俺が選ばれ、 大きなケーキの奥に埋められた ノブを廻す権利を得た。