起立のかけ声に一歩遅れる。 .
20階でエレベーターを降りると 息が楽になる感じの格好をした奴らが 大勢いた。 .
ここの現場では、俺は小僧も同然だ。 今日もステージ用の演出道具を取りに行くよう命じられ 美術室へ走るのだった。 「くれぐれも頭に失礼のないように」 ディレクターですら一目置いている頭とは 美術室のチーフで、こだわりの男だった。 今回のステージで…
窓の外には、グレートーンの静かな風景が広がっている。 よく手入れされた植木と、和洋折衷の家の屋根瓦。 その向こうには、白灰色の海と半泣きの空。 ここでシーツにくるまったまま いつまでもこうしていたい。 .
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