2013-01-01から1年間の記事一覧
「望遠で取材したい」と申し入れたら 「うってつけのポイントがある」という。 俺は線路の反対側につれていかれた。 そこには強度を測るために焼かれた家屋の骨組み。 黒こげの梁によじ登ってファインダーを覗いたら 線路の向こうの事務所で笑っている社長が…
巨大な水晶を発見したが でかすぎて価値がないといわれた。 .
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人を捜すふりをして 次から次へと店を物色。 それほどここには良さげな飲み屋が密集してる。 もともと宅地用に造成された丘がまるまる放置されて 発掘現場か土が剥き出した段々畑のようになっていたところへ いつの間にか無数の飲み屋が勝手に建てられたみた…
ジャニーズに加入することなって そのオーディションの帰り道。 山ピーとトマトを蹴り合いながら 海岸沿いの道を歩いて帰った。.
ふたたび空港。 チケットの販売機だと思って操作していたら 飛行機を撃ち落とすゲーム機だった。 悪趣味だ。 おかげで一本遅れた。 .
乗客の一人がドアをあけ 慣れた様子で路端の道路標識を思いきり蹴った。 するとそれがスイッチだったようで 眼前の鉄扉がどろどろと開き その奥に狭い隧道が現れた。 バスはそこを通過するつもりのようだが どう見てもその車高では無理に思えた。 ところが運…
バスは裏道を行く。 知らない町と名もない林を通り過ぎ、 ふざけた橋を渡り、遠近法の峠を越えて。 バスの揺れにあわせて乗客が一様に揺れる姿が 何かの踊りを踊っているようだった。 バスは海岸までやってきた。 .
空港からの帰り道。 新宿まで相場の半値だという乗り合いバスに乗った。 ぼろぼろのマイクロバスは 俺が乗った時点で満員だった。 バスは何の前触れも無く 爆発のようなエンジン音と排煙をあげながら発進した。 .
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飛行機が空中で静止している。 なぜならば、それは友人が作ったジオラマだから。 .
店先に無造作に機器が積まれている。 通信機、計測器、検出器、音響装置をはじめ いろいろ沢山。 買ったとしてもどれも使い道があるわけじゃないし、 何の機械なのかすらわからないものもあるが 何といえばいいのだろう、 それらの放つ機能に徹したもの特有…
隣の座敷から 耳を疑うような美しい歌声がきこえてくる。 俺たちはグラスを手にしたまま凍り付いてしまった。 .
岩の上をすべり落ちていく。 降り続いていた雨は少し前にあがって 雲の切れ間から差し込む月明かりが 濡れた岩肌を透明な青に変えているので ちょっとしたきっかけさえつかめれば うまく岩と一体化して、きっと身を沈めることができる。 そうすればこれ以上…
小さな入り江。 磯の波打ち際で入浴剤を撒いた。 海に撒くのだから相当たくさんだ。やがて波に揉まれてあたり一面が蛍光色に染まると 大きな魚が何匹も姿を見せた。いそいで釣り竿を探しに行ったが 近くにはコンビニしかなくて、とりあえずロープと針金を買…
初日から1時間の遅刻だ。 このビルの4階と聞いてやってきたが こんなに狭いビルで本当に料理教室なんかやってるのか? 人ひとりがやっと通れるような階段を這い上がって 4階まで上ってみると、そこは屋上で 小さなペントハウスがあるだけだった。 .
前を向くのにも飽きてきた頃、ちょうど信号待ちになって 車線の反対側の路地に目をやるとそのどん詰まりに えらく屋根の低い家があった。 なぜこんなに低い屋根にしたのか、 その理由や屋根の下での生活ぶりについて 勝手にあれこれ想像していくうちに その…
壁面のレリーフをすべて外して 正しい位置にもどすのだ。 .
Yシャツの襟がどんどん高くなっていく。 さっき東西線に乗ってた男は Elvis級だった。 .
先生の下で 一から数学を学び直すことになった。 初日は、先生の投げる複数の泥団子をひたすら拾う特訓から始まった。 先生は意地悪なことに時折、壁にバウンドさせたりするのだった。 .
送迎車付きの朝練を企画したが 誰も来ず 初日から挫折。 .
オークション会場に奴が現れた。 犬飼だ。片手にマンガ雑誌を持っていて、 その中のページを指差しながら 「同じ髪型にしろ」と 主催者に詰め寄っている。.
逃げ場を失ったので 駐車場に駐まっていたバスを襲撃して乗り込んだ。そこにはやはり逃げ場を失った男たちが 大勢乗っていた。.
4本のスルメに導かれ どこかに連れ去られる私。 .
夕飯まで少し時間があったから ぶらりと外に出た。 緩やかな上り坂が心地よくて、歩き進むうちに 調子に乗ってトンでもないところに来てしまったようだ。 気がつくと俺は尖った尾根にしがみついたまま 一歩も身動きがとれなくなっていた。 意識をグーグルマ…
そのプラットフォームは、 土中に埋もれた戦艦、に見えて以来ずっと戦艦。 .
彼女の作品は、 炎天下の中、幌付きのトラックの荷台で 斜めに立て掛けた板に生魚を並べるというもので 俺には到底理解できなかった。 それでも彼女が好きだった。 .
放課後になったら 上履きのままでいいから校庭を横切って 第2理科室へ行こう。 .
実家にはライオンがいる。 窓ガラス1枚隔てて、両親が飯を食ってる。 危ないと思う。 .
けたたましい音楽を響かせながら コンクリート製の 山車が迫ってくる。 .