dobochon’s diary

宮原清の夢日記

2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「アケミ」

即身仏のアケミが 「東京に来ているので飲みに行こう」 というので、 神楽坂へ繰り出す。 アケミとは学生時代に平泉で知り合って以来の付き合いだが これがまた酒好きの女で、一緒に飲むと 大概俺の方が先に酔いつぶれてしまうほどだ。 ただ、なにせ即身仏な…

「カラーピッカー」

俺は“カラーピッカー” その名のとおり 「これしかない」という色を 「ここしかない」という場所に配置していく「プロ」なのよ。 しかし実際のところ、 32.000色から選べと言われてもなあ。 12色のクレヨンで育った俺だ。 え!? なに、32.000色じゃなくて 16.7…

「後先になっちゃったけど」

猿と俺の関係は 俺の探偵事務所の「俺と猿」の関係だ。今回の任務はレインボーブリッジ上空から 船の秘密を撮影するという難しい仕事で 今回はコバンザメ号を使った。 2台の飛行機が合体していて途中で分離するのだ。 1号に猿、2号に俺が乗り、 いろんな角度…

「生クリーム」

「よくやった」 俺は助手の猿に褒美をやることにした。 彼の好物は生クリームのたっぷり乗ったヴィオロンケーキだ。 美味そうにケーキを食べる猿を見ていたら不覚にもヨダレが出てきた。 優秀な俺の助手は、俺が唾を飲み込む音を聞き逃したりしない。 すると…

「ハム」

スーパーの精肉部に配属された与一。 ハムをスライスする機械が恐ろしくて仕方がない。 なにしろ光速で回転する円形のカッターが4枚。 それが角度を変えながら四ツ巴となって交差するのだ。 シュンシュンと金属音を上げるスライサーの横で どうにもできずに…

「線香花火」

「ジ・・・・ジジ・・・」 溜め込むような音に混じって 時折「バチッ」と弾ける音。 それは隣の運動公園の拡声器から聞こえてくるみたいだ。 「線香花火の音だ」 最初はそう思った。 夏の夕暮れに線香花火の音を流すとは なかなか粋な計らいと思いきや 行っ…

「週末の終電車内で」

ストレッチ

「ちょっとした気配り」投稿:東久留米市在住・男

西武新宿駅は進行方向先端に改札があるので駅を利用するときには先頭車両に乗ることが多く、そんな時はいっそのこと運転席の手前まで行って、見るともなしにさまざまな装置の鈍い鋳物の光り具合などを眺めているのが好きだ。そこには必ず同じような考えの奴…

「レンガ工場の街」

その街の道路もレンガを運ぶトラックも立木も、 みんなレンガ色だった。 レンガを焼く煙が無数の煙突から立ち上っている。 どの工場も、一階は人の立ち入る領域ではないので 人々は建物の2階から隣の2階へと、 高所移動車で移動するのだが この移動車という…

「マキ子」

「遅くまでお仕事、大変ね」 初対面だというのに、女は臆面もなく話しかけてきた。 今日は検問の多い日だった。サミットが近いかららしい。 現場が終わっての帰り道、田無のあたりを過ぎた頃には とうに12時をまわっていたが、まだ検問はあちこちで 行われて…