dobochon’s diary

宮原清の夢日記

「フライト」

その機体は老朽化が激しく、今日が最後のフライトだった。
私はそれに乗り、今夜中に島に渡らなくてはならない。
ピンク一色に塗られた内壁の
何度も塗り重ねられたペンキの厚みが
経年によってのみ得られる素敵なマチエールと鈍い照りを放っていた。

あいにく今日は悪天候で、
最後の花道としては憂鬱な夜空だ。
機体は軋み、大きく揺れた。
天井を見上げると鉄板を繋ぐリベットから水がすごい勢いで漏れている。

案の定、薄い壁越しの操縦室から機長の声が聞こえてきた。
メーデーメーデー!」

さあ、海に落ちる前に空中にジャンプする準備を。