dobochon’s diary

宮原清の夢日記

「音飛び-3」 Skip-3


線路沿いの国道を併走するバイクが俺の乗った電車をゆっくり追い抜いてゆく。
そのとき音飛びが起こり、同時にバイクが何か不自然な動きをした。
さらに音飛び。今度は今まさに小さな川を渡っている最中にその角度がいきなり変わったのを見た。


目を開けてみてはじめて、俺はこの音飛びの深刻さを知ることになった。
音が飛ぶのと同時に景色も飛んでいたからだ。


映画のコマが落ちたように時間の流れが一部カットされている。
身体がiPodに順応しすぎて、視覚が音飛びに同期しているのか?
そういえば最近は皆ヘッドフォンを付けてジョギングしてる。
スポーツキットなんてのもあるくらいだ。不思議はない。
それともまさか飛んでいるのは俺の方で、iPodではなかった?
いやむしろそう考えた方が自然だ。


一瞬、俺の意識が飛んでるのか、はたまた
俺の大事な時間が誰かに盗まれているのかはわからない。
でも、すっとんでしまったそれはどこに行ってしまったのだろう。
ひょっとすると誰かの時間にいきなり割り込んでいるのかもしれない。


そしてそいつがもしもiPodを聴いていたら、
きっと「ノイズ」だと思うんじゃないか。


―(おわり)―


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