2008-10-17 「第二理科室-6」 The second science room-6 卵の数が減ったのは、ニワトリが産卵しなくなったのではなくて 俺の与えたゆで卵入りの餌によって味を覚えたニワトリが 自分の産んだ卵を食べてしまうようになったのが原因だった。 夏の終わりのある日に、生物教師の妙子は突然失踪した。 理由は生徒には知らされなかった。 同時に地下室への入り口は埋め立てられて整地され、 職員用の駐車場になってしまった。 俺は、妙子に卵を売って貯まった金で、 紅スズメのつがいを買った。 今、第2理科室の鳥籠では、雌の紅スズメが小さな卵を暖めている。