dobochon’s diary

宮原清の夢日記

「第二理科室-5」 The second science room-5 


妙子のお気に入りは、つがいのチャボが産む有精卵だった。
白色レグホンの卵よりひとまわり小さく、殻の色も濃い。
その黄身が「すごく濃いの」という妙子の言葉は、
俺に自分の行為の矛盾を気づかせる暇を与えなかった。
俺はひたすらゆで卵をニワトリに与え続けた。


ところがしばらく経つうちに
毎朝必ず卵を産んでいたニワトリたちに
タマゴを産まない日が出はじめた。


最初は一週間に1回程度だったので
「体調が悪いのか」と思っていたが
次第に卵のない朝は増えていき、
やがて飼育小屋全体で
一つの卵も収穫できないという日を迎えて
俺は初めて異変に気づいた。


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