dobochon’s diary

宮原清の夢日記

「足の指の研究ー3」


サルの足の親指は、うんと内側についていて、あたかも人間の手の親指のように機能するが、人間の足指の機能はそこから時間をかけて今のような役割へと次第に変化した。すなわち「物を掴む要としての役目」から「冬に布団の中で靴下を脱ぐ役目」へと。

その過程で、足の指は本来持っていた役割を親指から順繰りに隣の指へとバトンタッチしていったのではないか。ところがどんづまりの位置にある小指は、どうあがいても小指なので、真ん中あたりに存在理由の希薄な指が中指として残ってしまった、と考えるのが自然だ。そして、今となっては取り戻しようのない足の親指の喪失感とは、そのまま我々人類の「存在理由の所在なさ」を象徴している。(例外的に座布団を掴んで投げることのできるという人類がいるようだ)

2007年2月のネイチャー誌に掲載された私の論文に対する若い研究者からの三つの指摘の内、「足には汗を握らない。なぜなのか。」ならびに、「足の指に『人差し指』という言葉を当てはめていいのでしょうか。」 という言及は、言うてはならぬ事を言うてくれたと思うと同時に、「前世に牧羊犬だった」という証言は私の仮説を強力に後押ししてくれた。最後に、夜中にパソコンに向かう私に蹴りを入れてくれた妻に心から感謝したい。

以上、研究発表おわり。