dobochon’s diary

宮原清の夢日記

「虎河豚日報」2


アタシのいる仕事場は大部屋の外にあって、
路地に大きくせり出しているので通称「エンガワ」って呼ばれてる。


天井裏にある出力機からは
ロール紙に印字された原稿が間なしにプリントされてくる。
それは青白い蛍光灯の間から
いつも部屋中に何十枚でも垂れ下がっていて
「エンガワ」はまるで染め物工場みたい。
原稿は机から床にこぼれ落ちてもなお吐き出され続けるので
アタシの校正スピードはとてもそれに追いつかない。


だから今夜もきっと帰れない。


きのう同部屋のズバ子に
「もうやめようかな」と漏らしたら
「あんた、画工班に比べたら此処はずっと楽な方だよ」
と言われた。




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