dobochon’s diary

宮原清の夢日記

「水無川」

dobochon2007-04-20

雨の雑木林は、すっかり日が落ちて、乗算の深いラベンダー色。
傘の柄を、古い水道の蛇口で作ったら面白かろう、などとぼんやり考えながら濡れた落ち葉を踏みしめていたら、クマ笹の茂みが途切れたあたりで、にわかに広大な川の流れを思わせる水音が聞こえてきた。 通い慣れた帰り道。こんなところに川のある筈もない。 驚いて目を凝らすと・・・それは雑木林に添うように遠く線路まで広がっている畑の、土の表面を覆っている農ポリに雨の滴が一斉に当たる音だった。 正体が知れるまでの一瞬だったが、そこには確かに広い川が流れていたのだ。