dobochon’s diary

宮原清の夢日記

「登山鉄道」


かつて何度となく訪れた、高地の湿原。
この週末、久方ぶりにそこへ行ってみようと思った。
麓の町に着いた時には、既に日が傾きかけていた。

そこから登山鉄道に乗って湿原の入り口へと向かう。
既にじっとりと濡れた空気の中、列車は歯ぎしりをしながらスイッチ バックを繰り返し、急勾配を無理矢理登っていった。

夕方だったこともあり、乗客は私一人だったが、ここの登山鉄道には車 両ごとに必ず歌手が同乗している。それがこの地の名物なのだ。
私の乗った車両担当の歌い手は、 顔の半分がヒゲの太った男。
眉を寄せ、顎をひき、目を白黒させながら彼は、
朗々と歌い続けるのだった。
もちろんフニクリ・フニクラを。