dobochon’s diary

宮原清の夢日記

「エア」


毎晩広い空をチェックするのは骨折りだが収穫も大きい。
今夜は湾岸方面に狙いを定めることにした。

空と海の境界とおぼしき暗闇にじっと目を凝らすと、そこは微弱なコードに満ちている。それらのひとつに焦点を合わせ、アンプリファイアして形に定着してやる。いつ、どこに、どのタイミングで焦点を合わせるかは、長年の勘がたよりだ。こうして見つけた獲物を、細心の注意を払って用意しておいた電磁網で捉えるのだが、若い頃はタイミングが合わずによく獲物の頭を傷つけてしまったものだ。
収穫物は、捕った順に磁気的にパッケージされる。この順番こそが大事だ。後々、繰り返し再生することになるこの収穫物たちは、前後の流れ如何で勝手にストーリーを作ってしまい、一旦結びついた獲物同士の関係は死ぬまで解除できないからだ。