dobochon’s diary

宮原清の夢日記

「焼鳥屋の十戒」


焼鳥屋常吉は、熱心な信者だった。
より多くの人においしい焼き鳥を食べさせるため、
店を妹夫婦に任せて、毎日屋台カーを運転した。


ある日の、渋滞した高速道路。
進まない車列にイライラを募らせ、心が狭くなっていた常吉
中央車線でハンドルを叩きながら思わず悪態を付いた。
「チッ、早く帰りてえんだよ、どけよオラ。」
ところが屋台スピーカーのスイッチが入りっ放しだったため、
これが車外に大音量で流れてしまった。


すると見よ、目の前の全ての車が次々と左右の車線に避けてゆく!
「おおおお、」
感動に打ち震え、中央車線を悠然と進み続ける常吉
両側から畏敬の念をこめた視線を感じる。


「やきとり〜、おいしいヤ・キ・ト・リだYO !!」
ヒップホップに乗せた自慢の宣伝ソングを最大ボリュームで流す常吉が、背後の緊急車両に気付くのは、まだかなり先になりそうだ。


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