dobochon’s diary

宮原清の夢日記

「濡れた畳を歩け」



明け方まで飲んだ勢いで、会長の家に転がり込んでしまったらしい。
気がつくと、じっとりと濡れた布団の中だった。顔に水滴が落ちている。
しだいに焦点の合ってきた目で天井を見上げると、梁の上にあるはずの天井がほとんど無かった。雨が降っているのだ。部屋の中に。
「朝ご飯つくってるから、顔でも洗ってきて」
会長の奥さんが包丁を使いながら、あごで洗面所を教えてくれた。
奥さんもびしょ濡れだった。部屋の中だというのに長靴を履いている。
なるほど歩くたびに、畳から水が湧きだしてくる。
洗面所に着き、雫の伝う鏡に映ったずぶぬれの自分を見て、もはや顔を洗う必要のないことを知った。



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