2006-10-01 「タンバリン」 舞台の上の、お姉さんの指示に合わせて、 観客達は手にした小さなタンバリンを叩く。 私も叩いた。 初めはバラバラだったタンバリンの音が、 お姉さんの絶妙なリードによって、 いつしか一つの形になりつつあった。 私は一生懸命に叩いた。 観客達の間にくっきりとリズムが輪郭を見せ始め、 やがて劇場全体が幾千万の鈴の音の海面となった。