2012-06-24 「京都の掛け布団」 Comforter of kyoto 俺は思い切って転身を図り京都の学校に赴任することにした。 鞄と掛け布団を持って電車に乗り、 京都に着いたのは陽も落ちかけたころだった。 ホームに降りて鞄を電車に置き忘れたことに気がついた。 その鞄には全てが入っていたのに。 赴任先の学校の名前すら覚えていなかった。 手元には使い慣れた自分自身の匂いのする掛け布団1枚だけだった。 それにくるまりホームで途方にくれた。 .