旧友の昌男と一杯やろうということになった。
市場を通りぬけた奥に飲み屋があるはずだ。
途中の倉庫には
天井まで積まれたイカの山。
氷付けのイカと生イカが渾然となってと積まれている。
幾山も。
その中のひと山から、
おもしろがって一匹の冷凍イカを引き抜いたら
イカ山がくずれて、
昌男はあっという間にイカに呑み込まれてしまった。
俺は手をつっこんで助けようとするが、
昌男は津波のようなイカに何度も捕らえられてしまう。
「横だ。直角に逃げるんだ! イカは横には動けないハズだ」
俺は叫んだ。
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