その頃ぼくたちはキノコの栽培に夢中だった。
山小屋の床下で育てたキノコ。
順調に育ったら地元のラーメン屋に卸すつもりで
ぼくらは交代で山小屋に泊まり、世話をしていた。
ところがキノコは成長するにしたがって皆、曲がってしまった。
床下の高さが足りなかったのだ。
これでは商品にならない。
愕然としているぼくらの山小屋へ
ラーメン屋の女将がやってきた。
「あんた達、何やってるの?」
彼女はイギリス人だったので
ぼくたちは英語で答えた。
「ウイー、プロダクト・・・マッシュルーム」
女将は言った。
「間違ってる。 言葉も、育て方も」
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