dobochon’s diary

宮原清の夢日記

「のろい」


助手席の慎二は呪いにかかってしまい、奇声を発し始めた。
引けるだけあごを引き、白目をむいている。


車を止めていた場所からほど近い崖の上に人影が見える。
原因は奴だと直感した。なぜなら目があったとたんに身を隠したから。
しかし呪いは俺にも及び、身体がろくに動かず声も出せない。
やっとの思いで喉から絞り出した「カーッ」という呼吸の、
その振動で奴の動きを多少は押さえる事ができたはずだが、
このままでは本当にやばい。


「ベンチレーターを閉じれば事態は好転するかもしれない」
そう思って、息も絶え絶えににコンソールに手を伸ばすと、
エアコンの横にある「kiarik」というボタンが目に入った。


.